産業機器向けリアルタイム制御ソリューション
技術トレンド:CPUのマルチコア化と産業用Ethernet
産業機器で多く使用されているCPUは、トランジスタの微細化に伴うリーク電流の増大が顕著になり、これ以上の高クロック化が難しくなってきました。そのため、昨今ではプロセッサのマルチコア化によりパフォーマンスを向上させようとする動きが広がっています。
それにより、従来なら産業機器内部で複数のハードウエアがそれぞれ独立処理していた機能を、今後は1台のPC上のマルチコアCPU1個で実現させることが可能になってきました。
また、産業用ネットワークの分野では、より高速で信頼性の高い産業用Real-Time Ethernetの普及が進んでいます。中には、マスター側に専用ASIC(専用ボード)を必要とせず、PCのEthernetポートとソフトウエアのみで実装可能なEtherCATのような技術も開発され、注目度が高まっています。
こうした技術トレンドから、今後は装置内部で使用するハードウエア数を削減してコストダウンを図りつつ、より高度なソフトウェア技術を用いた産業機器が増えていくと予想されます。
リアルタイム制御とGUIの両立 〜ユーザーインタフェース専用PCは不要〜
組み込みPCの世界では、CPUのマルチコア化による非対称型マルチプロセッシング技術(AMP:Asymmetric Multi Processing)が注目されています。これにより、高価なハイエンドPCやサーバーを使わなくても、一般的なPC上で複数の機能を共存させることが容易になりました。
例えばデュアルコアCPUを搭載したPCの場合、コア1にWindowsベースのGUI制御を、コア2にリアルタイム制御をそれぞれ静的に割り当てることにより、これらの機能がお互いに影響しあうことなく、独立して実行できるようになります。 代表的な例では、米IntervalZero社のRTXによるWindowsのリアルタイム拡張ソリューション(図1)や、リンクス社のReal-Time HypervisorによるWindowsとVxWorks・QNXなどRTOSとの共存(図2)が挙げられます。
さらに、今後はクアッドコアCPUの採用が広がっていくと考えられます。この場合、対称型マルチプロセッシング技術(SMP:Symmetric Multi Processing)によってリアルタイム性がさらに向上し、より高度なモーションコントロールシステム(図3)を実現できるようになります。
図1:デュアルコアCPUと
|
リンクス社 Real-Time Hypervisorによる
|
||
図3:クアッドコアCPUと米IntervalZero社 RTXによる
|
|||
操作性の高いリッチなGUIを、コンパクトなWindowsで
HMI(Human-Machine Interface)としてのGUI制御を行う場合、Windowsのフル機能は必要ないケースも多くあります。こうした場合、必要なコンポーネントのみを選択してWindowsを構築できるWindows XP SP3ベースの組み込みOS、Windows Embedded Standard 2009が最適です。不要な機能を省いてOSをコンパクト化することで、小容量で信頼性の高いフラッシュストレージからWindowsをブート可能になります。
さらに、Windows7ベースの組み込みOS、Windows Embedded Standard 7を使うことで、よりリッチで操作性の高いユーザーインタフェースも実現できるようになります。
加速するセキュリティ脅威への対応
Windowsベースの産業機器はこれまでウイルス対策があまり取られていませんでしたが、近年では工場内で使用しているUSBメモリを経由したウイルス感染が問題となっています。しかし、通常のウイルス対策ソフトはウイルス定義ファイルを頻繁に更新する必要があり、またウイルス検出時にCPU使用率が大きく上昇するなどの問題から、組み込み機器で採用することは困難でした。
マカフィー社のMcAfee Embedded Controlは、ホワイトリスト方式のセキュリティソフトウエアで、あらかじめ許可されたファイル以外の実行を禁止します。そのため、定義ファイルの更新も不要で、ウイルスの実行を確実に防ぐことが可能です。また、CPU負荷も非常に低いため、あまり性能が高くない組み込み向けPC上でも問題なく動作します。
さらに詳しい情報はこちらをご覧ください
製品情報
関連情報
お問い合わせ先
CN事業統括本部 エンベデッド・ソリューション部
TEL. 03-5908-1995 FAX. 03-3344-1812
E-mail/ esg@teldevice.co.jp