IoT Technology 2017レポート
Azureを活用した最新ソリューションが集結

IoT Technology 2017

あらゆる設備・装置の異常検知を実現

 「組込みAI活用」テーマゾーンに出展した日本マイクロソフトのブースには、Azureと連携するパートナー各社のソリューションが一堂に会し、多くの来場者の注目を集めていた。東京エレクトロン デバイス(TED)のコーナーで行われていたのは、エッジデバイスとAzureを連携させた異常検知のデモだ。
 デモは、ビルや工場内に設置されている設備・装置に見立てたモーターの上にセンサータグを取り付けて振動データを取得。そのデータをコンテック製のエッジデバイスでフィルタリングしてAzureへ送信し、データの処理・蓄積を行う。フィルタリングの機能は“Azure IoT Edge”によって実現されている。Azure IoT Edgeとは Azureとゲートウェイとのデータ受送信を容易にするソフトウェアで、今後はエッジ側へAzureのStream AnalyticsやMachine Learningといったサービスのデプロイを可能にする機能を持つ予定だ。さらに、Azure上で稼働するサイバネットシステムの分析・可視化ツール「BIGDAT@Viewer」を使って異常値を検知し、その情報をエッジデバイスへフィードバック。エッジデバイスがアラートを表示するというものだ。

エッジデバイスとAzureを連携させた異常検知デモの概要図
エッジデバイスとAzureを連携させた異常検知デモの概要図

 デモを応用すれば、外部へデータを送信するしくみを持たない設備・装置の稼働状況を常時モニタリングし、異常な振動が発生した際にアラートを発信するようなシステムを構築できる。「IoTを利用して保守メンテナンス業務を効率化したいが、設備・装置が旧式で対応できない」といった悩みを解決できるソリューションとして期待される。

Azureによる最先端のデータ活用例を紹介

エッジデバイスとAzureを連携させた異常検知デモの概要図
テクノスデータサイエンス・エンジニアリングのデモ
テクノスデータサイエンス・エンジニアリングのデモ

 一方、ブレインパッドはセキュリティカメラで撮影した映像を解析し、顔画像をIDとして店舗への来店顧客の行動をマーケティング活動につなげる「おもてなしサポートシステム」のデモを行った。従来の小売業におけるマーケティング活動は、会員カードメンバーなど特定の顧客のみが対象だったが、このシステムを利用すれば来店したすべての顧客に対して「誰が」「いつ」「来店」して「何を」「買った」かが分かる。それによりきめ細かな最適な販促コミュニケーションが行えるようになる。
 システムは、カメラの映像から顔画像を切り出してAzure Cognitive ServicesのFace APIでIDとして認識。顧客の店内行動メタデータとともにAzure上に蓄積し、過去の接客情報が店頭スタッフのスマートフォンに送信され、接客に活用できるというしくみだ。顔画像の切り出しと行動メタデータの取得はエッジデバイスであるカメラ側で実行されるので、ネットワークやクラウドに負荷をかけないリアルタイムのシステムが可能になる。

ブレインパッドの「おもてなしサポートシステム」
ブレインパッドの「おもてなしサポートシステム」

 このほか日本マイクロソフトのブースでは、TEDのデモでも使用していたコンテックのIoTエッジデバイスをはじめ、沖電気工業の920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」を利用したIoTキット、OPC-UAサーバー機能とソフトPLCを搭載し、Windowsとリアルタイム制御処理を並行実行可能な日立製作所の産業用IoTコントローラ、東芝のWindows 10 IoT搭載スリム型エッジコンピューティングデバイスなどを展示。どのコーナーも来場者の高い関心を集めていた。