Azure IoT 最新アップデート ~ IoTを簡単にする新機能が追加

内藤 稔氏

日本マイクロソフト株式会社

クラウドプラクティス技術本部

クラウドソリューションアーキテクト

内藤 稔氏

フルマネージドのIoT SaaSソリューションが登場

 IoTビジネスを成功させることは容易ではない。既存のビジネスと統合したIoTシステムを立ち上げるのに時間がかかるとともに、新たな領域の知見や能力が必要になるからだ。また、成功するかどうか分からないIoTシステムに対し、事前の投資が多額になりかねないことも、IoTビジネスを難しくする要因になっている。
 こうした現状に対し、日本マイクロソフト クラウドソリューションアーキテクトの内藤 稔氏は「何度も失敗できるような規模の投資が繰り返せることが重要だ」と話す。その解決策として、マイクロソフトがこのほどパブリックプレビューを公開したのが「Microsoft IoT Central」である。
 「IoT Centralは、さまざまな用途のIoTデバイスをバックエンドサービスと接続するためのフルマネージドのIoT SaaSソリューションです。マイクロソフトが完全に管理・運用するサービスであり、クラウド開発に関する知識がなくてもIoTデバイスの接続と管理、ルール監視とアクションの実行、ユーザー権限の管理とアクセス許可などの機能を利用することができます。IoTデータを分析して可視化するダッシュボードを備えており、企業はIoTビジネスの構築に注力することができます」
 IoT Centralは、クラウドホスト型のカスタムIoTシステムを作成する「Builder」、およびデバイス管理機能やダッシュボードを提供する「Operator」で構成されている。内藤氏によると、IoT Centralを利用することにより、Webアプリケーションを開発することなくシンプルな業務フローをすぐに構築できるというメリットが得られるという。また1デバイスあたり月額0.5ドル(※)という低コストでサービスを利用できることも、IoT Centralの大きな魅力となっている。

※パブリックプレビュー(2018年2月)時点での価格。今後変更の可能性があります。

SORACOM Beam Azure IoT Hub対応
Microsoft IoT Central Operator の画面例

IoTビジネスにも活用できるPowerAppsとMicrosoft Flow

 もう一つ、内藤氏が紹介したのはIoTカスタムアプリケーションを構築するために用意された「PowerApps」と「Microsoft Flow」だ。いずれもすでに提供開始から1年以上が経過したサービスであり、決して“最新”とは言えないものの、内藤氏は「IoTカスタムアプリケーションを容易に開発できるソリューションとして、ぜひ知ってほしい」と訴える。
 PowerAppsは、Excelに似た関数や数式を利用してアプリケーションロジックを作成し、複数ソースのデータをマッシュアップ(加工・編集)するだけでカスタムアプリケーションが開発できるというスグレモノだ。接続可能なデータソースは160種類以上用意されており、PowerPointでスライドを作成するような感覚でレイアウトし、動作を定義する関数や数式を追加していくだけでWebアプリケーションが完成する。WebアプリケーションはWindowsだけでなくAndroidやiOSもサポート。1つのWebアプリケーションを作成するだけでクロスプラットフォーム対応にできる。
 このPowerAppsと統合して利用できるのが、Microsoft Flowだ。これは複数のソフトウェアやサービスにまたがったタスクやプロセスを自動化するサービス。最新のITトレンドとして注目が高まっている「RPA(Robotic Process Automation)」の一種であり、サポートするソフトウェア/サービスを選んで実行するタスクやプロセスを定義するだけで、手作業で行っていたフロー(操作の流れ)を自動化できる。もちろんプログラミングは不要で、すでにフローが定義されたテンプレートも数多く公開されている。
 「PowerAppsとMicrosoft Flowを組み合わせて利用することで、エンジニアでなくてもアプリケーションの開発が可能になります。出来る限り少ない工数、少ないコストで業務を実現できるものとして、IoTビジネスにも適用していただきたいと思います」

SORACOM Beam Azure IoT Hub対応
PowerApps の画面例