センサー情報の収集・見える化をノンプログラミングで実現するキットがリリース

東京エレクトロン デバイス(TED)は、わずか数分程度の作業でセキュアなIoTシステムを構築し、センサーから取得・収集した情報を見える化する「Azure IoT ノンプログラミングキット with SORACOM」の提供を開始した。IoTシステムの構築に経験のない企業でも、容易にIoTシステムのPoC(概念実証)に取り組めるキットとして注目されている。

古川 潤

東京エレクトロン デバイス株式会社

クラウドIoTカンパニー エンベデッドソリューション部

CSPセールス

古川 潤

渡邊 晶

東京エレクトロン デバイス株式会社

クラウドIoTカンパニー エンベデッドソリューション部

クラウドソリューション・エンジニア

渡邊 晶

 IoT関連技術の急速な発展に伴い、製造業、倉庫・運輸業、流通・小売業など幅広い業種業界の企業がIoTシステムを導入し始めている。中でも生産設備、空調設備、車載器といった各種機器・装置にセンサーを取り付け、データを取得・収集・分析して周辺環境の変化、故障・異常の予兆、不良品の発見といった用途に活用されるケースが増えている。

 その一方で「IoTシステムには興味があるものの、開発を担当する人材がいない」「効果が得られるかどうか分からないのに、多額の予算をかけられない」という理由から、IoTシステムの導入を断念する企業も多い。IoTシステムによって機器・装置の保守メンテナンス費用を削減したり、従業員の安全管理や製品の品質管理に役立てたりできる可能性があるのに、最初の一歩に踏み出せないのは非常に残念なことだ。

 だがこれからは、人材不足や予算に悩む心配はない。IoTシステム開発の経験がなくても、投資できる予算が限られていても、容易にIoTシステムのPoC(概念実証)に取り組めるソリューションが登場したのだ。それが東京エレクトロン デバイス(TED)が2018年8月28日に発売した「Azure IoT ノンプログラミングキット with SORACOM」だ。

 「この製品は、マルチセンサータグとIoTゲートウェイに加え、ソラコムの3G/LTE通信機能、Microsoft Azure IoTクラウドサービスをまとめて提供するキットです。専用アプリケーションを操作するだけでセンサーデータの収集からAzureへ送信、データ蓄積、可視化までのIoTシステムをノンプログラミングで構築できます」(古川)

(図)Azure IoT ノンプログラミングキット with SORACOM
(図)Azure IoT ノンプログラミングキット with SORACOM

IoTシステムに必要な構成をまとめて安価に提供

 ここでAzure IoT ノンプログラミングキット with SORACOMに含まれる内容を紹介しよう。マルチセンサータグには、バッテリー駆動が可能なテキサス・インスツルメンツ製「CC2650STK」を採用。温度・湿度・気圧・加速度・ジャイロ・磁力・光などのセンサーを備えており、多種多様なニーズのIoTシステムに対応できる。取得したセンサーデータは、BluetoothによってIoTゲートウェイへ転送する。

 IoTゲートウェイには、-20~70℃という過酷な環境でも動作するコヴィア製「Acty-G1」を採用。同梱の「SORACOM Air SIM」を装着すれば、SORACOM Beamのセキュアな閉域網を経由してAzureへデータ転送できるようになっている。

 「このIoTゲートウェイはAndroidを搭載しており、ここにTEDが開発した専用アプリケーション『TED Azure IoT with SORACOM』をインストールして利用します。このアプリケーションは、取得するセンサーデータの種類、Azureへの送信間隔などをGUI上の操作だけで設定できます。これがキットの売りになっています」(渡邊)

(図)TED Azure IoT with SORACOM のGUI
(図)TED Azure IoT with SORACOM のGUI

 IoTゲートウェイで収集したデータは、SORACOM Beamを経由してAzure IoT Hubに蓄積され、Azure Time Series Insightsで可視化、分析することになる。センサーデータの取得からAzure上のデータ可視化まで、ノンプログラミングによる構築の流れを説明した手順書も提供されるので、開発経験がないユーザーでも簡単にIoTシステムを構築することが可能だ。

 そして、Azure IoT ノンプログラミングキット with SORACOMの最大の特長と言えるのが、9万9,800円という求めやすい価格設定だ。

 「価格にはハードウェアや専用アプリケーション、手順書だけでなく、Azureの利用料金4万円分も含まれています。また、TEDが主催する有償のAzure IoTトレーニングも受講できるので、IoTシステムの検証やPoCの実施はもちろん、実運用に向けた展開も可能です」(古川)

 つまり、このキットを導入するだけで、企業は短期間かつ安価にIoTの活用を始めることができるのだ。これまで人材や予算の面でIoTシステムに踏み出せなかった企業は、導入を検討してみてはいかがだろうか。