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2025/5/7

Writer:手戸 蒼唯(てど あおい)

GitHub Teamとは?中小規模チームに最適な開発環境の機能と導入方法を解説

プロジェクト管理とチーム開発の効率化を実現するGitHub Teamは、中小規模の開発チームに向けた有料プランです。
プライベートリポジトリの高度な管理機能、CI/CDワークフローの自動化、柔軟なアクセス権限管理など、チーム開発に必要な機能を網羅的に提供します。
本記事では、GitHub Teamの主要機能や料金プラン、他のプランとの違いを詳しく解説し、導入手順までをご紹介します。チーム開発環境の検討にお役立てください。
また、東京エレクトロンデバイスはGitHubの企業導入をサポートしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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GitHub Teamとは

「GitHub Team」は、チーム単位での開発やコラボレーションをスムーズにするためのプランで、特に中小規模の開発チームに最適です。

プライベートリポジトリを含む高度な機能を活用しながら、コードの一元管理、柔軟な CI/CD ワークフローの構築、アクセス権限やセキュリティの管理といった、プロジェクト運営をスムーズに進めるための多彩な機能が提供されています。

そのため、チーム全体の効率を高めながら、プロジェクトの進捗や品質を確実に管理することが可能です。

GitHub Teamイメージ
GitHub Teamイメージ (参考 GitHub)

GitHub Teamの主な特徴

GitHub Teamプランは、チームや小規模な組織向けに設計された有料プランです。

まずは、GitHub Teamの特徴についてご紹介します。

一元管理とチームの効率化

GitHub Team プランでは、チームの効率的なプロジェクト管理や共同作業を実現するために以下のような多彩な機能が提供されています。

  • 統合ツールの提供
    「Slack」や「Jira」など、日々の業務に使用するツールとの連携を簡単に行うことができます。
    複数のツールを切り替える手間を省き、プロジェクトの管理や進捗の追跡を一つのプラットフォームでまとめて実行することが可能です。
  • 柔軟なチーム管理
    チームメンバーの追加や権限管理を簡単に行うことができるのも、GitHub Team の大きな特徴です。
    数名規模の小さなチームから、数千人規模の大きな組織まで、さまざまな規模に柔軟に対応できるため、チームの成長に合わせた適切な管理が可能です。
  • プロジェクト管理の強化
    プロジェクト管理機能(例: プロジェクトボード)を活用することで、タスクを整理・管理しやすくなります。
    進捗状況をリアルタイムで把握し、タスクのステータスを簡単に更新することができるため、チーム全員が最新情報を共有することも可能です。

GitHub Actionsでのワークフロー自動化

GitHub Actionsは、CI/CDパイプラインを自動化するための強力なツールです。開発者がGitHubにコードをプッシュすると、GitHub Actionsが設定された手順を自動で実行します。

GitHub Teamプランでは、月に3,000分の実行時間が付与されるので、ユーザーはこれを使ってビルド・テスト・デプロイのプロセスを自動化することができます。

コードの品質を保ちながら、作業の効率化を図るのに役立ちます。

GitHub Actions イメージ
GitHub Actionsイメージ (参考:GitHub)

チームアクセスとセキュリティの管理

GitHub Team では、チーム内外のメンバーに対するアクセス権を簡単に付与、制限、または取り消すなどの管理が容易に設定できます。チームの規模を問わず、必要なアクセス権限を正確に管理できるため、セキュリティを保ちながら効率的に作業を進めることができます。

また、リポジトリにコミットされた「シークレット(APIキーや資格情報など)」が検出された際にはアラートが送信され、30を超えるクラウドサービスプロバイダーに自動通知されます。

さらに、依存関係のスキャン機能も備わっており、脆弱性が見つかると修正の提案を含むプルリクエストが自動で生成されます。

GitHub Codespacesの柔軟な管理

GitHub Codespaces は、クラウド上で完全にセットアップされた開発環境(IDE)を提供する機能です。

GitHub Team プランでは、以下の管理オプションを柔軟に選択することができます。

  • プライベートリポジトリでの有効化・無効化
    組織内のプライベートリポジトリ(アクセス制限があり非公開のリポジトリ)で、GitHub Codespaces の使用を有効化するか無効化するかを選ぶことができます。
    例:
    プライベートリポジトリ内の重要なプロジェクトでのみ Codespaces を利用可能に設定することができます。
  • 使用料金の負担オプション
    企業は、メンバーが使用した Codespaces の料金を負担するかどうかを選択することができます。
    例:
    外部パートナーが一時的にプロジェクトに参加する場合、組織が特定期間のみ費用を負担する設定を導入することが可能です。

こうした有効化・無効化やコスト負担の設定を行うことで、リソースを最適に配分し、開発環境の運用を効率化することができます。

プライベートリポジトリ向けの高度なツール

GitHub Team プランでは、パブリックリポジトリ(誰でもアクセス可能な公開リポジトリ)に加え、プライベートリポジトリでの開発を効率化するための以下の高度なツールが提供されています。

  • Protected Branches
    特定のブランチを保護し、誤った変更が適用されないようにする機能です。
    たとえば、メインブランチに直接プッシュすることを禁止することで、レビューやテストを経たコードだけがマージされる仕組みを作ることができます。
  • Code Owners
    コードの特定部分に責任者を割り当てる機能です。
    プルリクエストが提出されると、そのコードセクションの担当者にレビュー依頼が自動的に送られます。
  • Draft Pull Requests
    作業中のプルリクエストをドラフトとして共有し、フィードバックを得ることができる機能です。
    コードが完成する前に改善ポイントを確認するのに役立ちます。
  • Multiple Pull Request Assignees
    1つのプルリクエストに複数のレビュアーを割り当てることができる機能です。
    異なる視点からコードをチェックしてもらうことで、見逃しや誤りを減らし、より高品質なコードを作成することができます。
  • Team Pull Request Reviewers
    チーム全体をレビュアーとして指定することができる機能です。
    特定の個人にレビューを集中させるのではなく、チーム全体をレビュアーとして設定することで、レビューの負担を分散することができます。また、空いているメンバーが即座にレビューを行うことができるので、開発プロセス全体のスピードが向上します。
  • Scheduled Reminders
    プルリクエストのレビューが滞らないよう、チームに定期的にリマインダーを送信する機能です。この機能により、タスクの遅延や忘れを防ぐことができます。

GitHubの他のプランとの違い

GitHubプランごとの比較
GitHubプランごとの比較(参考: GitHub)

GitHubには、TeamのほかにFree、Enterpriseなどのプランがあります。

このセクションではそれぞれのプランとの違いを解説します。

GitHub Freeとの違い

GitHub Free は、個人や小規模なチーム向けのプランです。無制限のパブリックリポジトリが提供されていますが、プライベートリポジトリの機能には多くの制限があります。

またGitHub Actionの利用時間も短く、サポートはGitHubコミュニティによるサポートのみです。

一方でGitHub Team は、チーム向けに提供され、パブリックレポジトリだけでなくプライベートリポジトリでも多くの高度な機能を使うことができます。

チームごとのアクセス権限管理、GitHub Actionsの強化(3,000分/月)、プロジェクトボードやタスク管理が可能です。

GitHub TeamはFreeプラント比べてチームの生産性向上やコラボレーションをサポートする機能が多く含まれていると言えます。

GitHub Enterpriseとの違い

GitHub Team は、チームや小規模な組織向けで、基本的なセキュリティ機能やCI/CD、自動化ツールが提供されていますが、より大規模な組織向けの高度なセキュリティ管理機能やカスタマイズ機能はありません。

一方GitHub Enterpriseは、大規模な企業や組織向けのプランで、より高度なセキュリティ機能や監査ログの提供、SAML認証によるユーザー認証、IP制限など、組織全体での管理機能が強化されています。

また24時間対応の優先サポートも含まれており、大規模な運用においてサポートを重視する企業向けとなっています。

プラン間の特徴比較

プランごとの特徴の違いは以下の通りです。

項目 Freeプラン Teamプラン Enterpriseプラン
月額費用 無料 $4/ユーザー $21/ユーザー
プライベートリポジトリ 無制限 無制限 無制限
GitHub Actions 月間2,000分 月間3,000分 月間50,000分
セキュリティ機能 基本的なリポジトリセキュリティ 基本的なリポジトリセキュリティ GitHub Advanced Securityを利用可能
SAMLシングルサインオン 非対応 非対応 対応
サポート体制 コミュニティサポートのみ 基本サポート プレミアムサポート
GitHub Enterprise Serve 非対応 非対応 対応(オンプレミス環境に最適化)
利用規模 個人開発者や小規模プロジェクト向け 小規模~中規模のチームやプロジェクト向け 大規模な企業組織や複雑なセキュリティ要件を持つ環境向け

(2025年1月確認時点)

GitHub Teamの料金プラン

GitHub Teamの料金は、「1ユーザーあたり48米ドル/年」が設定されています。

この費用は月払い(4ドル/月)または年払い(48ドル/年)を選択することが可能で、年間の支払いにすると1ヶ月分が無料になります(2025年1月確認時点)。

GitHub Teamの導入手順

ここでは、GitHub Team の導入手順についてご紹介します。

導入は以下のステップで行います。

  • ステップ1: Organizationの作成 (すでにTeam用のOrganizationがある場合は本手順はスキップしてください)
  • ステップ2: GitHub Team の申し込み

※前提条件としてGitHub ユーザアカウントが必要です。

東京エレクトロンデバイスは、企業のGitHub導入を支援しています。

導入をご検討の企業ご担当者様はお気軽にご相談ください。

GitHub Team利用時のベストプラクティス

ここではGitHub Teamを活用するためのベストプラクティスについてご紹介します。

以下のポイントを押さえることで、GitHub Teamを最大限に活用することができるでしょう。

コードレビューの徹底

以下のようなコードレビューの設定をするのがおすすめです。

  • 必須レビュアーの設定
    プルリクエストには必ず指定したレビュアーが承認するように設定することで、品質管理を強化することができます。
  • 複数のレビュアーを指定
    プルリクエストに複数のレビュアーを指定することができます。異なる視点からコードをチェックしてもらうことで、見逃しや誤りを減らし、より高品質なコードを作成することができます。
  • 自動化ツールの活用
    GitHub Actionsを使って自動化されたCI/CDパイプラインを設定することで、ビルド・テスト・デプロイをスムーズに行うことができ、作業
    これにより、作業を手動で行う際に発生しがちなミスを減削減可能です。

セキュリティとアクセス管理の強化

以下のような設定を行うことで、リポジトリに対するセキュリティを強化することができます。

  • 保護されたブランチの設定
    mainやmasterなど、重要なブランチへの直接的な変更を防ぐために、プルリクエストを通じて変更を加えるように設定します。こうすることで、重要なコードが誤って上書きされたり、バグが混入するリスクを減らすことができます。
  • コードオーナー制度の導入
    コードオーナー制度を導入すると、特定のファイルやディレクトリに責任者を設定することができます。その部分のコード変更には、担当者によるレビューが必須となるため、コードの品質管理を強化できます。

チーム全体でのコラボレーション促進

チームのコラボレーションを円滑にするために、以下のツールを活用します。

  • ドラフトPRの活用
    作業が完了していない段階でも「ドラフト」としてプルリクエストを提出することがで、早期にチームメンバーとコードを共有し、フィードバックをもらいながら開発を進めることができます。
  • 定期的なリマインダーの設定
    プルリクエストのレビューが遅れている場合、定期的にリマインダーを送る機能を活用することで、作業が遅れることを防ぐことができます。

GitHub Teamの活用場面

GitHub Teamは、さまざまな開発チームのニーズに応じて柔軟に活用することができます。

ここでは、GitHub Teamの活用場面をご紹介します。

リモートワーク・分散チーム

GitHub Teamは物理的に離れたメンバー間が業務を共同して行うのにも役立ちます。GitHub Actionsやプルリクエストを活用することで、どこからでもスムーズに作業を進めることができます。

セキュリティに配慮したプロジェクト

保護されたブランチやコードオーナー制度を活用して、コードの変更に対するセキュリティを強化することができます。そのため、重要なプロジェクトでも安心して運用することができます。

継続的なデリバリー(CI/CD)を実現したいチーム

GitHub Actionsを使って、ビルド・テスト・デプロイの自動化を図り、手作業のミスを減らし、品質を確保することができます。自動化されたパイプラインにより、開発スピードが格段に向上するでしょう。

まとめ

本記事では、GitHub Teamの概要・機能・他のプランとの違いなどについてご説明しました。

GitHub Team プランは、チームや小規模な組織向けに設計された有料プランで、プロジェクト管理や共同作業を効率化するための多彩な機能を備えています。このプランでは、プライベートリポジトリにおける高度な管理機能に加え、GitHub Actions の利用枠が拡充され、より柔軟なワークフローの自動化が可能です。GitHub Enterpriseに比べてシンプルな構成ながらも、日常的なチーム運営に必要なツールを網羅しています。

ぜひチームのニーズに合わせてGitHub Team導入を検討し、プロジェクト管理や開発効率の向上を実現してください。中小規模のプロジェクトや、複数人での開発において、Teamプランは強力なサポート役となるでしょう。

東京エレクトロンデバイスはGitHubの企業導入をサポートしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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