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2025/5/7

Writer:手戸 蒼唯(てど あおい)

GitHub料金のAzure支払いとは?対応サービスや設定手順、コスト管理ついて解説

「請求書の管理が煩雑」「コストの可視化が困難」―このような課題を抱える企業に向けて、GitHubの料金をAzureで支払う方法をご紹介します。

Azureを通じた支払いにより、請求書の一元管理や予算設定が容易になり、コスト管理の効率化を実現できます。また、Microsoftの高度なセキュリティ基準による安全な支払い処理が可能です。

また、Azure Marketplaceからの直接購入のみならず、CSP (Cloud Solution Provider) 経由で購入することも可能です。

CSPならではの柔軟な契約期間や充実したサポートにより、お客様のニーズに最適な形で GitHub を導入できます。

本記事では、Azure支払いに対応したGitHubサービスの種類や料金体系、具体的な設定手順、効果的な管理方法について解説します。

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AzureでGithubの支払いをする方法解説記事

Azureで支払い可能なGitHubサービスとは

GitHubのすべてのサービスがAzureを通した支払いに対応しているわけではありません。

ここでは、支払いが可能なGitHubサービスの種類・範囲、利用条件についてご紹介します。

※本記事で紹介している料金体系は、2024年11月時点のものです。料金は変動する可能性があるため、最新の情報については、Githubの公式ページで確認してください。

GitHub Codespaces

GitHub Codespacesは、GitHubが提供するクラウドベースの開発環境のサービスです。

コードの作成、編集、デバッグをクラウド上で行うことができ、個別のローカル環境を用意する手間が不要になります。

【料金体系】

■計算基準

  • コンピューティングリソースの使用時間
  • ストレージ使用量

※個人用アカウントには無料使用枠あり

GitHub Codespacesイメージ 参考:GitHub
GitHub Codespacesイメージ 参考:GitHub

GitHub Actions

GitHub Actionsは、GitHubが提供するCI/CD(継続的インテグレーションと継続的デリバリー)ツールです。

コードのビルド、テスト、自動デプロイなどのワークフローを自動化できます。

【料金体系】

■計算基準

  • ワークフローの実行時間
  • ストレージの使用量
  • データの転送量

■無料利用枠

プラン ストレージ容量 実行時間(分/月)
GitHub Free 500MB 2,000分
GitHub Pro 1GB 3,000分
組織のGitHub Free 500MB 2,000分
GitHub Team 2GB 3,000分
GitHub Enterprise Cloud 50GB 50,000分

※無料枠があり、その超えた場合に支払いが発生します。

GitHub Actionsイメージ 参考:GitHub
GitHub Actionsイメージ 参考:GitHub

GitHub Packages

GitHub Packagesは、ソフトウェアパッケージの保存と配布のためのサービスです。

npmやDocker、Maven、NuGet、RubyGemsなど、主要なパッケージ形式に対応し、チーム内でのパッケージ共有を効率化します。

【料金体系】

■計算基準

  • パッケージの保存容量
  • データ転送量(ダウンロードなど)
  • 帯域使用量

■無料利用枠

プラン Storage データ転送 (月あたり)
GitHub Free 500 MB 1 GB
GitHub Pro 2 GB 10 GB
組織の GitHub Free 500 MB 1 GB
GitHub Team 2 GB 10 GB
GitHub Enterprise Cloud 50 GB 100 GB

※無料枠を超過した分はAzure支払い可能

GitHub Copilot Business および GitHub Copilot Enterprise

GitHub Copilot Business及びGitHub Copilot Enterpriseは、組織向けに提供されるAIによるコード補完ツールです。

個人向けのCopilotに比べて、組織全体での管理機能やセキュリティ機能が強化されています。

【料金体系】

■課金方式

  • ユーザー単位の固定料金制(月額サブスクリプション)
  • 最低利用人数の制限なし

■料金プラン

プラン 料金 概要
Copilot Business $19 USD/ユーザー/月 エンジニアリングの速度、コード品質、開発者体験を向上させたい組織向け
Copilot Enterprise $39 USD/ユーザー/月 組織のコードベースに基づいたカスタマイズを求める企業向け

【関連記事】

GitHub Copilotとは?主要機能や使い方、料金体系について解説

GitHub Copilot Enterpriseとは?主な機能や料金、セキュリティ対策について解説

GitHub Copilotイメージ 参考:GitHub
GitHub Copilotイメージ 参考:GitHub

GitHub Enterprise

GitHub Enterpriseは、企業向けに提供される高度な機能を備えたGitHubのプランです。

セキュリティ、コンプライアンス、デプロイメントの柔軟性を重視する大規模組織向けに設計されています。

【料金体系】

■プラン別料金

プラン 料金
Enterprise Cloud $21 USD/ユーザー/月
Enterprise Server ユーザー数に応じた年間ライセンス

■契約条件

  • 最小契約ユーザー数:10ユーザー
  • 年間契約が基本
  • Azure支払い可能
GitHub Enterpriseイメージ 参考:GitHub
GitHub Enterpriseイメージ 参考:GitHub

【関連記事】

GitHub Enterpriseとは?他のプランとの違いや料金、導入手順について解説

GitHub Advanced Security

GitHub Advanced Security(GHAS)は、企業のコードセキュリティを強化するための高度なセキュリティ機能群です。

コードスキャン、シークレットスキャン、依存関係レビューなどの機能を提供し、開発プロセス全体でセキュリティリスクを特定・軽減することができます。

【料金体系】

■コミッターあたりの料金

プラン 料金 備考
GitHub Advanced Security $49 USD/コミッター/月 Enterprise契約が必要

■コミッターとは

過去90日間にリポジトリにコミットを行った一意のアカウント。

複数のリポジトリにコミットした場合でも1アカウントとしてカウント。

GitHub Advanced Securityイメージ 参考:GitHub
GitHub Advanced Securityイメージ 参考:GitHub

GitHubサービスのCSP経由での契約について

2024年7月の変更により、CSP(Cloud Solution Provider)経由で以下のGitHubサービスが利用可能になりました。

【利用可能なサービス】

  • GitHub Enterprise(GHE)
  • GitHub Copilot(Business/Enterprise)
  • GitHub Advanced Security(GHAS)
  • Codespaces、Actions、Packages など

【前提条件】

GitHub CopilotやCodespacesなどを利用するには、GitHub Enterprise(GHE)の契約が必須です。

【料金の統合】

AzureサブスクリプションIDを使用することで、GitHub料金をAzure請求書に統合して管理できます。

詳細は、Microsoftの公式ドキュメントをご確認ください。

東京エレクトロンデバイスはCSPプロバイダーとして、GitHubサービスのライセンス契約を承っております。

Azure請求書との一元化をご希望がある企業のご担当者様は、お気軽にご相談ください。

GitHub料金をAzureで支払うメリット

ここでは、GitHub料金をAzure経由で支払うことによる具体的なメリットを紹介します。

請求書の一元化

AzureでGitHub料金を支払うことで、Azureの他のリソースと合わせて請求書が発行されるため、支払いの管理が容易になります。

コスト管理と予算設定が容易

Azure経由の支払いをすることで、Azureポータル上でGitHubやその他のAzureサービスの利用量をモニタリングし、予算を設定することができるのでコスト管理が容易になります。

Azureコスト管理イメージ 参考:マイクロソフト
Azureコスト管理イメージ 参考:マイクロソフト

特にGitHub ActionsやCodespacesなどの使用量が増えた場合でも、Azureポータルでリアルタイムにコストを把握することができるので安心感があります。

セキュリティとコンプライアンスの強化

Azure経由での支払い処理は、Microsoftの高度なセキュリティ基準で保護されているので、以下のような点でセキュリティとコンプライアンス面でメリットがあります。

- データ保護とプライバシー

Microsoftの基準により、支払い情報や利用状況に関するデータが保護されます。個人情報や機密データも安全に管理されるため、セキュリティのリスクを抑えることができます。

- コンプライアンス要件の対応

Azureの支払いプロセスは、さまざまな国際的な規制や業界のコンプライアンス要件(GDPR、ISO認証など)を満たしているため、信頼性が高く、監査に対応しやすい構造になっています。

GitHubの料金をAzureアカウントで支払うための設定手順

GitHubの料金をAzureで支払うためには、GitHubアカウントとAzureサブスクリプションを連携させる手続きが必要となります。ここでは、必要な前提条件から具体的な設定手順までご説明します。

前提条件

GitHub、Azureのそれぞれで以下の条件を満たしている必要があります。

【Github】

  • GitHub.com上で組織アカウントまたはエンタープライズアカウントのいずれかを所有している。

【Azure】

  • Azureサブスクリプションの所有者であること。
  • 「Microsoft Entra ID(旧:Azure Active Directory)」で「テナント全体の管理者同意」を提供できる権限があること。

ステップ1: GitHubにサインイン

  1. GitHub公式サイトにアクセスし、GitHubのアカウントでサインインします。

ステップ2: Azure サブスクリプションを接続し、支払いを設定する

  1. 「Dashboard」画面で、Azure サブスクリプションを接続するOrganizationをクリックします。
Organization選択画面
Organization選択画面
  1. 「Edit settings」をクリックします。
EditSettings選択画面
EditSettings選択画面
  1. 「Billing and plans」をクリックします。
BillingAndPlans選択画面
BillingAndPlans選択画面
  1. 出力された画面を下にスクロールし、「Add Azure Subscliption」をクリックします。
AddAzureSubscliption選択画面
AddAzureSubscliption選択画面
  1. 支払い対象のAzureサブスクリプションを選択し、「Connect」をクリックします。
SelectSubscrpition画面
SelectSubscrpition画面

Azure請求開始後について

ここでは、GitHubアカウントとAzureサブスクリプションを連携させる手続きをした後の課金サイクル・管理方法についてご説明します。

課金サイクル

GitHubアカウントとAzureサブスクリプションを連携させる手続きをすると、その時点からの費用がAzure経由で次の月の1日に請求されます。

ただし、GitHubプランの料金など、他のGitHubの残りの料金は通常の請求日に引き続き請求されます。

ここで重要なのは、請求のタイミングと対象が明確に分かれる点です。

例として、6月16日にAzureサブスクリプションを接続したケースを考えてみましょう。その場合、

<<6月16日以降の使用分>>

  • Azure請求の対象となり、7月1日の請求書に含まれます。
  • Azureの通常の請求サイクルに組み込まれます。

<<6月15日以前の使用分>>

  • 従来通りGitHubからの直接請求となります。
  • 企業の通常の請求日に請求されます。

<<GitHub固定料金(基本プランなど)>>

  • Azureへの接続後も変更なく、引き続きGitHubからの直接請求となります。

料金の上限設定

料金管理には、使用制限の設定をするのが有効です。使用制限の設定とは、事前に使用量の上限を設定しておき、設定した制限に達すると、サービスの利用が一時的に制限される機能のことです。

以下のサービスでは、使用制限の設定をすることができます。

  • GitHub Codespaces
  • GitHub Actions
  • GitHub Packages

予期せぬ高額請求を防ぐため、こうしたサービスを利用する場合は使用制限の設定を検討してみてください。

請求の確認方法

料金の確認は、Azureポータルの「コスト管理と請求」セクションから行うことができます。GitHub利用分を含む総請求額を確認することができるため、GitHub料金を含めたコストの把握が簡単になります。

コスト管理と請求セクション
コスト管理と請求セクション

また、GitHubの組織設定ページでも、現在の使用状況をリアルタイムで確認することができます。

サブスクリプション管理と注意点

Azureサブスクリプションと組織アカウントを連携したものの、解除が必要になることもあるかもしれません。

ここでは、その手順と影響について説明します。

サブスクリプションの解除手順

  1. GitHubの右上にあるプロフィール写真をクリックし、「Your organizations」を選択します。
Your organizations画面
Your organizations画面
  1. 対象の組織の隣にある「Settings」をクリックします。
Settingsボタン
Settingsボタン
  1. サイドバーの「Access」セクションで「Billing and plans」を選択します。
Billing and plans選択画面
Billing and plans選択画面
  1. 「Billing Management」の「Metered billing via Azure」セクションで、切断したいサブスクリプションIDの右にあるアイコンをクリックします。
Metered billing via Azureセクション
Metered billing via Azureセクション
  1. 表示されるプロンプトを確認し、「Remove」をクリックして削除します。

重要な注意事項

なおAzureとのリンクを解除するにあたっては、以下のことを確認しておきましょう。

解除後の利用制限

サブスクリプションを解除すると、無料枠を超えた利用ができなくなるため、引き続き必要なリソースにアクセスするには別途プランの設定が必要となります。

データの確認

解除前に、課金データや利用状況を確認しておくと、請求トラブルの防止につながります。

まとめ

本記事では、AzureでGithubの支払いをする方法としてそのメリット・対象のGitHubサービス・設定手順・管理・解除の方法などをご紹介しました。

Azureで支払いを管理することで、GitHub利用料を含めたすべてのクラウドサービスの支出が一括で把握できるようになるので、予算設定や支出の監視も効率的に行えるようになるでしょう。また、サービスによっては支出制限などの機能も利用できるので、予算超過のリスクを抑えることが可能です。Azureのセキュリティ基準に準拠することで、信頼性が高く、コンプライアンス要件を満たす管理が実現します。

企業にとって、AzureでのGitHub支払いは効率的かつ安全なコスト管理の手段となるでしょう。

東京エレクトロンデバイスは、GitHubサービスの企業導入を支援しております。ご担当者様は、お気軽にご相談ください。

この記事が皆様のお役に立てたら幸いです。

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