Azure導入事例 八紘テクノ 様
クライアント先で稼働している電力コントロールシステムを、
IoTによって遠隔監視
安定稼働とサービスレベル向上を実現
オフィスビルでは、建物全体のエネルギー消費量の6割を電気設備が占めていると言われています。空調設備などのモータは最大稼働時を想定した性能になっているため、普段は電力消費が過剰になることが多く、それがムダの要因となっています。
八紘テクノ株式会社(以下、八紘テクノ社)が提供する電力コントロールシステムは、インバータを用いた制御により、商用電源では変えることの出来なかったモータの回転を自在にコントロールし、電力料金のコストダウンと二酸化炭素排出量削減に貢献しています。
同社はクライアント先で稼働しているシステムの安定稼働とメンテナンス作業の効率化を目的として、IoT化に着手。「ReMoSy(リモシー)」という名前の遠隔監視システムを構築しました。同システムによって、インバータや制御装置の異常をいち早く検知できるようになり、更なる安定稼働が実現できました。また、収集した情報の一部はクライアントにも公開しており、日々の電力使用量がわかるレポートによって、省エネに向けた運用改善に繋がっていると高い評価を受けています。
これまでの課題
- お客様が増えるにつれ、特に遠隔地にある現場の管理負荷が増大。限られた人員で、広大なエリアのメンテナンスを受け持つのが困難になっていた
- 装置の異常が原因で省エネ運転ができない状態であっても、定期点検のタイミングまで見つけられないケースがあった
- 報告書作成のために、現地での確認(電力使用量や稼働時間)が必要で、かなりの労力をかけていた
IoTによって得られた効果
- 定期点検のスケジュールや体制を最適化。より少ない人員と短い時間で、多くのシステムを効率的にメンテナンスできるようになった
- 迅速な異常検知により、電力コントロールシステムのダウンタイムを最小化
- 現場に足を運ぶことなく、報告書が作成可能に。大幅な時間短縮を実現
定期点検でなければ見つけられなかった異常や故障をいち早く検知
レポート作成の工数も大幅に短縮
「ReMoSy」を開発する以前は、電力コントロールシステムを遠隔でモニタリングする仕組みはなく、技術者による定期点検以外に異常を検知する方法はありませんでした。そのため、お客様が増えるにつれて、本社から離れた場所にある装置の点検や管理に対する負担は、大きなものとなっていきました。また、お客様へ定期的に提出しているレポートについても、電力使用量や稼働時間を確認するために技術者を現地に派遣し、収集したデータをレポート用に整理をして提出しなければならず、大きな負担となっていました。
この状況を解決するために、同社がクラウドサービスのMicrosoft Azureをベースに開発したのが、遠隔監視システム「ReMoSy」です。インバータや制御装置の稼働状況をIoTでリアルタイム収集し、クラウド上のデータベースに記録。これにより、故障や異常の発生箇所や内容の素早い検知を行い、定期的なレポートも工数を掛けることなく提出できるようになりました。
また、故障や異常の情報に限らず、省エネ運転と通常運転の切り替わりが通知される仕組みを構築したことで、技術者がいちはやく異変を察知。電力コントロールシステムのダウンタイムを最小限に抑えることができるようになりました。
また「ReMoSy」は一部の機能をお客様にも提供しており、日々の電力使用量が把握できるサービスとして高く評価されています。
「ReMoSy」で導入したAzureサービス
- 1IoT Hub:数百万イベント/秒を受け入れられるデータの入り口
- 2Stream Analitics:入力されたデータのリアルタイム集計や特異点検知
- 3SQL Database:データの格納先であるデータベース
- 4Power BI:データのビジュアル化
「ReMoSy」構成概要
PowerBIによるインバータ監視・電力量監視
1ヶ月の電力消費量(KW View)
CSPパートナー
- 会社名
- 八紘テクノ株式会社
- 設立年月日
- 1974年4月10日
- 主な事業内容
- 電気料金のコストダウンと二酸化炭素排出量の削減を目的としたインバータシステムの設計と販売を行う。
システムの導入提案、設置、メンテナンスまで自社で一気通貫で実施。ホテルやオフィスビルから病院まで幅広い実績がある。