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Azure導入事例 株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー 様

工事材料品の管理業務における課題をDXの内製化で解決
Azure AIやPower Platformを活用し、業務フローの大幅な改善を実現

株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー 東京ブロック統括本部 東京北エリア統括部 サービスセンタ(板橋)では、日々、電話・インターネット回線の保守、設備保全などの業務を行っています。その中の「ユーザ系保全業務」では、光ファイバケーブルやコネクタなどの工材品を持ち出し、在庫確認、発注など管理業務を行っていますが、この業務における様々な課題を、今回、Microsoft Azure / Power Platformを活用して「内製化」で解決しました。
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー関係者様から、課題検討から解決までのポイントを伺いました。

工事材料品の持ち出し管理に「AI」を活用できるか、という観点から検討を開始

最初に検討した事は「工事材料品」の持ち出し管理において、AIを活用できるかどうかです。
これまで、工事の際に持ち出す部材は作業者が目視で確認し、持ち出す数量を紙に記入して管理していました。この作業を画像判定AIで効率化できないか検討していた中で、東京エレクトロンデバイス(以下、TED)よりMicrosoft Azure の Custom Vision Service を紹介頂き、早速トライしてみる事にしました。

Custom Visionは、AIに関する専門知識が無くても独自の画像判定AIが作れるという点が魅力的で、自社の業務課題を解決するシステムを外部の業者に委託して開発するのではなく、社内で「内製化」しながら解決したいという考えに最適なソリューションでした。

従来の作業内容

  • 現場作業者は、物品の持ち出し/返却時に紙に記入
  • 物品管理者が約160種の工事物品を目視確認し、在庫量をチェック

課題

  • 持出しの種類が多いと管理簿の記入が負担
  • 欠品を避けるために在庫過多になってしまう
  • 在庫管理、発注作業の稼働負担が大きい

「伴走型」の支援を受けながら課題を解決

Custom Vision Service を活用した「工事材料品」の画像判定AIは、最初から上手く行ったわけではありませんでした。
TEDのハンズオントレーニング等を通して独自のAIモデルを作ることはできたものの、学習させる部材の種類が多く、似たような部材も多かったため、最初は誤判定が多く発生してしまい、実用的なAIにはなりませんでした。

そこで、TEDに相談してみた所、各部材を切り出した画像をAIの学習に使用する方法や、「物体検出(Object Detection)AI」と「画像分類(Classification)AI」を併用する事で判別精度を向上させるアイデアなどの支援を受け、AIの認識精度が大幅に向上しました。


写真: 各部材を切り出した画像をAIの学習に使用した

AIを活用した工事材料品の持ち出し管理システム


(画面はPoC段階で作成したプロトタイプ)

  • Custom Vision Serviceで、各部材を学習させた独自の画像判定AIモデルを作成。
  • 作成したAIモデルはEdgeデバイス上に実装し、撮影台に部材を置くだけでリアルタイムに推論する仕組みを実装。
  • 「物体検出AI」で部材の種類を検出した後に、「画像分類AI」で部材の型番を判別できるようにした。
  • 形状から判別が難しい部材は「AI-OCR」を併用して、ラベルを読み取る事で型番を判別する機能も実装。


(工材品の持ち出し数をPower BIで表示)

AI導入効果の測定

AIを活用した工事材料品の持ち出し管理システムの導入により、従来の紙記入での業務フローと比べ作業時間が2分の1以下に抑えられました。持ち出し管理の後のRPA(自動発注処理)の部分は、今後構築・運用を予定していますが、全体の業務フローで約82%の稼働削減が可能と想定しています。

人材育成・リスキリングの取り組み

今回、TEDの「DX内製化支援」を受けながら、Power Platform (Power Apps / Power Automate) の活用についても取り組みました。現在は、工事材料品の業務以外でも、ローコード・ノーコード開発やRPAを活用した業務改善に取り組んでいます。
また、DXの内製化を進める上で、社内の人材育成、スキルアップ(リスキリング)の観点でMicrosoft認定試験(MS-900/AZ-900/AI-900/PL-900/SC-900/DP-900)にもチャレンジしました。こちらもTEDに勉強会を実施して頂き20名以上のメンバーが挑戦し、メンバーの合計で40個以上の資格を取得できました。

導入したサービス

  1. 1Azure Custom Vision Service
  2. 2Azure Cognitive Services Vision (AI-OCR)
  3. 3Azure IoT (Azure Percept/IoT Hub)
  4. 4Power Platform (Power Apps/Power Automate/Power BI)

プロジェクトメンバー

東京北支店 設備部
板橋サービスセンタ 中杉サービスセンタ
家城 陽太氏 川辺 隆介氏 宇田川 穂高氏 上江洲 勇人氏 村畑 秀氏
会社名
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
主な事業内容
電話・インターネット回線の保守、設備保全などの業務
URL
https://www.ntt-me.co.jp/

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