Writer:古久保真実
3年ぶりの東京ビッグサイトは何が変わっていたか
コロナ禍ビフォーアフター「ものづくりAI/IoT展」
コロナ禍のリアルイベント自粛から3年。その間にすっかりオンラインでの開催が当たり前のように実施され、時代は変わったなー、と感じている方も多いのではないでしょうか。
マスク着用も自己判断に緩和され、東京エレクトロンデバイス(TED)でも3年ぶりに東京ビッグサイトでの展示会へ出展を決定しました。(地方や別の場所での展示はありましたが東京の大規模イベントは久々です。) 私自身、リアルイベントの今を見たい!ということもあり、現場に行ってまいりましたので、ご報告していこうと思います。
■受付がスマート化
さっそく受付から進化を感じました。以前は、招待券なり関係者用入館証(どちらもリアルな紙ベース)が必要で、製造業や通信業と業界ごとに分類された受付に並び、大勢のスタッフが対応、終了まで10分程度(空いている時間帯だと5分くらい)だったと記憶しています。
今回、そもそもWEBでの事前登録すら不要(招待QRコード)で、受付端末にQRコードをかざせばよいという省人化!もちろん人が全くいないわけではなく、操作で戸惑った方にはやり方を係の人が教えていました。端末も数が多いのでほぼ待ち時間なく1分程度で受付完了。
■以前と変わらない盛況具合?
私が会場にいったのは3日目の最終日でした。もともと最終日は人が多いことで知られていますが、その傾向は今も昔も変わりないようです。
3年前の盛況具合と比べて変わっていないか、と言われると見た目では判断が難しいのですが、少なくともコロナ禍中に展示会に行った際のようにスムーズに通路を歩くのは難しい感じでした。
ちなみに、主催のRX Japan社発表の数字でみるとコロナ禍前と同等といってよい来場者のようです。
コロナ禍前 2019年2月 66,049人 (東京オリンピックの関係で通年と別日程開催)
コロナ禍後 2023年6月 66,895人
※RX Japan 株式会社公表
東京ビッグサイト開催のものづくりワールド全体の3日間の延べ人数
通路を歩くだけで「〇〇のノベルティでーす」「〇〇ができるサービスです。チラシだけでも~」って声かけられるのは、一時的にでも人気者になった気分になるリアル展示会の醍醐味?ですかね。
■やっとお目当ての TED展示ブースへ
さて、そうこうしつつも何とか、ものづくりAI/IoT展の一番左奥にあるTED展示ブースにたどりつけました。
入り口にAIロボットをおく案も出たようで 、近い将来TEDブースでもAIロボットがお出迎えになるかもしれません。
さて、ここからは今回展示した製品(サービス)の一部をパネルとともにご紹介します。
より安心安全に顧客満足度の向上を実現する
OEM向けソリューション
こちらは、自社製品をエンドユーザーに販売するOEM向けのソリューションです。10年間バージョン固定で利用できる組み込み向けの「Windows for IoT」をOEMプラットフォームとしてご紹介していました。ちなみにWindows for IoTを搭載したDell社PCも展示していたのですが、こちらは配布用の資料が足りなくなって現地で印刷したそうです。
また、セキュリティへの関心も高まっているようでした。エンドユーザーさんからのセキュリティ要求が高まり、情報収集にいらっしゃった方も少なからずいたようで、そんな方向けに、製品端末を未知の脅威からも守る「Trellix Embedded Control」や、出荷装置のセキュリティを確保したまま画面共有で装置のトラブルを迅速に解決支援できる「FalconLink on Azure」を展示していました。
【Microsoft社Windows IoT Enterprise】
【FalconLink on Azure】
【Trellix社Trellix Embedded Control】
【Trellix Mobile Security】
工場ネットワークを“まるっと”可視化!
Microsoft Defender for IoT
こちらはスマートファクトリーを実現したい方に向けたOT/ITセキュリティソリューション「Microsoft Defender for IoT」です。工場のネットワークを可視化し、機械学習と行動分析で脅威を検知できるだけでなく、AIと連携することでデバイスの異常もいち早く検知できます。
上述同様エンドユーザーさんからのセキュリティ要望でどんな対策ができるのか見に来られたというケースや、Microsoft Azureをエンドユーザーに再販できるCSPというライセンス に興味をお持ちのケースなど、クラウド時代が進んできたことがうかがえました。
【Microsoft Defender for IoT】
【Microsoft AzureのCSPとは】
紹介したパネルの関連チラシをまとめてダウンロード頂けますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。サイトにないチラシをご希望の場合は、自由欄に記入ください。
https://iot.teldevice.co.jp/windows10/download/aiiot2023.html
展示ブースの裏側では「スマートアンケート」の実証実験!?
実は今回、来場者から見えないところで1つ試みがされていました。それが、AI-OCRを活用した「スマートアンケート」です。
来場者の名刺情報はバーコードリーダーでも取得できますが、実はその場で会話した生の声、これが営業の財産だったりします。このため、営業の感覚も含め自由記入欄に記入していて、これまでは会期後に手入力でデータ化していました。これをAzure AIを活用したAI-OCRで名刺情報とアンケート情報を現地で即時に電子化、自動集計する仕組みを現場で試していたのです。学習を重ねて精度を上げていけば、いずれ名前がなくても誰の文字か判別できそうですね。
まとめ
数字でみても体感としても来場者の入りはコロナ禍前と同等まで復活しているようです。私自身も感じたことですが、デジタル化が進んでも、新聞や手書きのメモや紙が必要なように、展示会もリアルはやはり生で見れる、触れる、聞けることにニーズはある、ということなのでしょう。イメージとしては、良いところは残しつつ、デジタル化して便利になったところも多く、来場側としては好印象でした。
今後はますます、リアルとデジタルの融合が進んでいくと予想されますが、どのように変わっていくのかとても興味深いです。