Azure導入事例 富士通フロンテック株式会社 様
部品の銘板をAI-OCRで読み取り、専用システムに連携
これまで目視・手入力で行っていた部品情報の登録作業をAIで効率化し、
作業工数を削減
(写真)実際の作業の様子
部品の撮影にはUSB接続タイプのカメラを利用。
作業者が撮影し易いように器具を用意した
多くの製造業では、製造工程における作業情報を収集・管理する「トレーサビリティ」を導入することで、問題発生時の早期解決や品質管理に役立てています。
富士通フロンテック株式会社においても、専用システムで製造履歴や構成部品のトレーサビリティ管理を行っていますが、これまでは部品情報を人が目視で確認し、手入力で専用システムに登録する作業が必要でした。
Microsoft Azure で提供されているAI技術を導入することで、部品情報の読み取りと専用システムへの登録作業を効率化し、作業工数の削減や正確なデータ管理を実現することができました。
これまでの課題
- 目視・手入力による非効率な部品情報登録
- 目視・手入力による誤入力の発生
- 人に頼った作業と人への負荷大
AIによって得られた効果
- 部品情報登録にかかる作業工数の削減(1件あたり10〜30秒削減)
- 読取り間違いと誤入力の削減
- 長時間作業における人への負荷軽減
- 会社名
- 富士通フロンテック株式会社
- 設立年月日
- 1940年11月
- 主な事業内容
- 金融、流通、公共、医療などの業界に向けたソリューション、サービス事業
- 資本金
- 8,457百万円 (2022年3月末現在)
- 従業員数
- 連結:4,869名 単独:1,558名(2022年3月末現在)
AIーOCR導入による入力の効率化と品質向上、人への負荷軽減
富士通フロンテック株式会社が製造している製品は、多くの部品で構成されています。
この構成部品の管理は特に重要で、これまでは専用システム「工程管理アプリケーション」に部品情報を登録し、製造履歴や構成部品のトレーサビリティ管理を行っていました。
構成部品の中には、形状の制限によりバーコード表示が無いものや、「銘板」と呼ばれる金属の板に文字が彫り込まれている様なものも多くあります。そのため、部品情報を自動で電子化してシステムに登録することが難しく、どうしても目視確認と手入力に頼る必要がありました。
そのような課題がある中で Microsoft Azure にAIを活用した文字読み取りの機能Computer Visionで、試しに部品情報を読み取ってみたところ、高い精度で文字列を読み取ることができました。
それがこのAI-OCRの導入を本格的に考えるきっかけになり、AI-OCRの導入後は、部品情報の登録にかかる作業工数を、従来の手作業に比べて1件あたり10~30秒ほど削減することに成功しました。
また、これまで部品情報の登録に使っていた専用システムの「工程管理アプリケーション」もそのまま利用できたため、従来のトレーサビリティ管理のしくみを大きく変えることなく、短期間で現場に導入することができました。
導入したサービス
システム構成と運用フロー
- 1自社開発の「画像読み取りアプリケーション」で「OCR読取画面」を起動し、カメラで読み取り対象(部品)を撮影
- 2撮影した画像をクラウド上のAI-OCRに送信し、文字列(部品情報)を抽出
- 3AIが抽出した文字列を、自社開発の「工程管理アプリケーション」の「部品情報登録画面」の該当項目に自動入力