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Azure導入事例 芝浦機械株式会社 様

生成AI活用による製品サポート業務のDX化に取り組む芝浦機械
工作機械の稼働情報から生成AIへの適切なプロンプトを自動生成する評価システムを公開

産業機械メーカーの芝浦機械は、生成AIを活用した製品サポート業務のDX化に向けた研究開発に取り組んでいます。2024年11月に開催された国際工作機械見本市「JIMTOF2024」では、同社製工作機械、門形マシニングセンタ「MPC-EII」の製品サポート業務を効率化・自動化する評価システムを出展。機械の稼働情報などのデータから適切なプロンプトを自動生成するために採用されたのが、東京エレクトロンデバイス(TED)のAIソリューション「FalconAutoPrompt」でした。

芝浦機械株式会社 R&Dセンター
研究開発部 デジタルツイン開発課 課長
富永 昌登氏

芝浦機械株式会社 R&Dセンター
研究開発部 デジタルツイン開発課
星谷 拓氏

労働力不足の解決策として生成AI活用に注目する芝浦機械

 芝浦機械は、1938年に工作機械メーカーとして創業し、時代の変化に合わせて多種多様な製品を提供し続けてきた産業機械メーカー。「社会基盤を支える製品を製造する機械」の提供を通じ、長年にわたって世界のモノづくり企業を支えてきました。現在は射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、工作機械、超精密加工機、産業用ロボット、電子制御装置など、多種多様な製品の開発・製造・販売を手掛けています。2020年に東芝グループから独立したのを機に、現社名へ変更しました。
 芝浦機械のなかで最先端を生み出す研究開発拠点として機能しているのが、同社相模工場に拠点を置くR&Dセンターです。既存事業における高付加価値製品の創出、既存事業に代わる新事業の発掘、さらに同社が推進するバーチャル空間での生産設計、製造、保守、管理等、モノづくりに関わる様々な工程のシミュレーションを可能にする「SHIBAURA DX」の実現に向けた最先端技術の応用に向けた研究開発に取り組んでいます。

 そんなR&Dセンターではいま、AI活用をテーマにした研究開発を加速させています。
 「近年は多くのモノづくり企業が少子高齢化による労働力不足に悩まされており、その対策が求められています。それは当社にとっても大きな課題であり、AIの活用による労働力不足の解消を目指した研究開発を進めています」(芝浦機械 R&Dセンター 研究開発部 デジタルツイン開発課 課長 富永昌登氏)
 さまざまな領域におけるAI活用の研究開発に取り組むR&Dセンターですが、特に注力しているのが、生成AIを活用した製品サポート業務の効率化・自動化です。

 「当社の製品サポート業務は、出荷後の製品に何らかのトラブルが発生した際にお客様から電話やメールでサポート窓口にお問い合わせをいただき、その情報をもとに技術スタッフがトラブルの原因究明と対策を講じるという人海戦術で対応しています。しかしこのやり方ではお客様側も当社側も業務が属人化してしまい、お客様からいただいた情報が不足していたり正確に伝わらなかったりして、トラブルの解消までの時間が掛かることも多々あります。その間、お客様の機械は停止したままとなるため、生成AIを活用した業務の効率化・自動化、現場のリードタイム短縮が急務だと考えています」(富永氏)

製品サポート業務の効率化・自動化を目指した評価システムを開発

 このような製品サポート業務へのAI活用を進めるために、芝浦機械が開発したのが、2024年11月に開催された国際工作機械見本市「JIMTOF2024」に参考出展した評価システムです。
 開発したのは、当社沼津工場に設置されている門形マシニングセンタ『MPC-EII』の稼働情報を収集・分析して生成AIに問い合わせ、サポートセンターのオペレーターや技術スタッフが使用する端末上に適切な回答を表示するという評価システムです。当社では製品の稼働情報を収集・蓄積・可視化するIoTプラットフォーム『machiNet(マシネット)』の研究開発も進めていますが、今回の評価システムもこのmachiNet上の情報を使って生成AIから回答を得るというものです」(富永氏)
 この評価システムに組み込まれているのが、TEDのAIソリューション「FalconAutoPrompt」です。生成AIに入力するプロンプト(指示)は必要な情報を網羅的に伝えて精度の高い回答を得るのが難しく、生成AIのLLM(大規模言語モデル)に対して適切な指示を与えるプロンプトエンジニアリングが重要になります。FalconAutoPromptはAIによる独自のプロンプトエンジニアリング手法を搭載し、適切なプロンプトを自動生成するソリューションです。
 「生成AIには製品のアラーム説明書、操作説明書、メンテナンス説明書の3種類の説明書を事前に学習させています。machiNetの画面上に表示されたアラーム情報をFalconAutoPromptに送り、FalconAutoPromptのAIが適切なプロンプトを作成して生成AIに問い合わせ、生成AIから対処方法を表示するという仕組みにしています」(富永氏)

評価システムはわずか1カ月で完成、顧客からも好評の声が寄せられる

 実は芝浦機械とTEDは、半導体関係を通じて四半世紀以上の取引関係にあります。今回の評価システムではまず、芝浦機械が将来的なサービス展開を想定し、Microsoft Azureをクラウドプラットフォームとして利用することが望ましいと判断。生成AIサービスに「Azure OpenAI Service」を選定するとともに、Azureに関する豊富な経験と実績をもつTEDへ相談を持ち掛けたところから始まりました。
 「TEDからFalconAutoPromptを紹介されたのは、JIMTOF2024開催の数カ月前のことでした。正直なところ当社独自AIの開発も検討していたのですが、FalconAutoPromptの機能は魅力的であり、評価システムの開発を急ぐためにもTEDとの協力は不可欠だと考えFalconAutoPromptの採用を決めました」(富永氏)
 生成AIに対する独自データの学習やFalconAutoPromptによるプロンプト自動生成のための設計・開発にかけた時間はおよそ1カ月。この部分は主にTEDが担当し、JIMTOF2024に出展する評価システムが完成しました。

 「当社では以前から長年にわたって蓄積されてきた製品情報、サービス情報をデータ化・ナレッジ化し、そこから生成AIが自動的に回答するというシステムの開発に取り組んでいます。そのため、生成AIを活用するうえで最もネックになるのがプロンプトの作成技術であることを理解しています。その点、FalconAutoPromptを導入すれば、生成AIに対する問い合わせのばらつきを解消し、より精度の高い回答が得られるようにプロンプトを統一することができます。これは生成AI活用のハードルを下げるという意味でも、とても良いものだと思います」(芝浦機械 R&Dセンター 研究開発部 デジタルツイン開発課 星谷拓氏)

 JIMTOF2024の展示会場では芝浦機械の顧客だけでなく、他の機械メーカーからも高い関心が寄せられたとのことです。
 「来場者からは『いつ使えるようになるのか』『自分たちも使いたい』といったポジティブな声が多く聞かれました。製品サポート業務はメーカー側だけでなく、機械の稼働を日々運用監視するお客様にとっても、人手不足解消や属人化排除の推進、業務の効率化・自動化が求められているのだと実感しました」(星谷氏)

 芝浦機械では今後、生成AIを活用した製品サポート業務の本格導入も視野に入れて検討を進める意向を示しています。TEDではこれからも、FalconAutoPromptの提供やAzureに対する技術支援を通じ、芝浦機械の新しい取り組みに貢献したいと考えています。

導入したサービス

  1. 1FalconAutoPrompt:生成AI活用による製造業向け製品サポート特化型Aiソリューション

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ものづくり太郎チャンネルに取り上げていただきました!

「JIMTOF2024」での芝浦機械株式会社ブースが紹介されています。