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2020/11/17

Writer:手戸 蒼唯(てど あおい)

製造業でのIoT活用とは?導入のメリットや事例を解説

近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務改革に注目が集まっています。とりわけ製造業においてはIoTによる業務改善を成功させている事例が多く、自社にもIoTシステムを導入したいと考える方も多いのではないでしょうか。

今回は、注目が集まっている製造業でのIoTについて、導入のメリットや事例をお伝えしていきます。

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ICTとIoTの違いや IoTデバイスとは?Azure CSPについてなど、
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IoTとは

IoTとは「Internet of Things」の略称で日本語では「モノのインターネット」と表現されます。モノにセンサーなどを取り付け、さらにインターネットへ接続することで、インターネット経由でのモノの稼働状況把握や操作が可能となり、製造ラインの状況の可視化や設定修正、故障予知などに役立てられます。IoTについては「IoTとは?モノとインターネットの全体像や活用シーンを分かりやすく解説」をご覧ください。

製造業の課題はIoTで解決できる可能性大

製造業の現場にIoTを導入すると、様々な機器・設備・作業のデータを収集し、分析して活用できます。

温湿度や照度、加速度やジャイロセンサーなどの各種センサーを現場に設置してデータを収集し、クラウド上のサービスを利用して分析することで、工場環境や生産効率を改善することができます。IoTを導入した製造業の現場を「スマート工場」と呼ぶこともあります。

なお、IoTに使われるセンサーやゲートウェイは「IoTデバイス」とも呼ばれます。IoTデバイスについては「IoTデバイスとは?種類や活用事例を分かりやすく解説」をご覧ください。

製造業でIoTを導入するメリット

製造業でIoTを導入する大きなメリットは、「リモートで機器状態の確認やサポート」が可能になることです。データや遠隔操作と組み合わせることで、製品のアフターサービスやメンテナンスなどの付加価値を提供できる手段としても注目されています。

さらに、AIを組み合わせることで、製造業で永遠のテーマと言われている故障予知も実現できると期待されています。

ここからは、製造業での活用例からIoT導入のメリットを紹介していきます。

生産管理の自動化

製造業の現場の多くは、エクセルなどを使って手動で生産管理を行っています。ここにIoTを導入して生産量やラインの稼働率を可視化することによって、これまで人手で実施してきた需要予測に基づく生産計画を、属人化せず客観的データに基づいて算出することができます。

メンテナンス対象機器の状態を自動検知

メンテナンス設備ごとに温度、作動音、エラー、動作速度、負荷などのデータを自動取得し状態を検知することができます。例えば機器の高温化や異音などが発生した際にアラームを発報するようにしておけば、設備チェック作業も効率化できるでしょう。

危険エリアへの接近アラーム発報

ビーコンと受信機を活用し、危険エリアへの立ち入りをリモートで制御することができます。危険エリアに受信機をあらかじめ取り付けておけば、ビーコンを装着した作業員が近づいたときにアラームで警告でき、事故リスクを減らすことができます。

作業員の動線を最適化

ビーコンの位置情報を可視化することで、作業員の動線が記録できます。記録を分析することで、作業用備品の配置適正化などの施策がとれるようになります。また、経験値の少ない作業員が誤りがちな動線なども検出可能です。様々な工夫により現場の作業環境を最適化することができます。

無人搬送車(AGV)の自動運行による作業最適化

従来のAGVは搬送用の磁気テープの上を走行することしかできず、定型的な作業にしか活用できませんでした。しかし、各種センサーを取り付けたAGVでは磁気テープが無いところも走行でき、さらにAIが搭載されたAGVでは、経路上の混雑状態などを学習しながら最適な運搬経路を自分で見つけて走行することもできるようになってきています。

製造業でのIoT導入事例

ここからは、東京エレクトロンデバイスのお客様でIoTを導入した事例をみていきましょう。

創業50年以上の製作所で属人化の排除に成功

「摩擦圧接工法」という独自技術を持った部品加工会社の株式会社大矢製作所では、高い技術力を持った熟練作業員による加工条件設定の属人化が問題となっていました。また、そうした技術者は経験と勘に頼った作業をするため、技術の伝承や育成も困難で、長年の課題となっていました。

そこで、現場の摩擦圧接機に付いているPLCをデータ出力機能をもつ最新型PLCに入れ替え、IoTを活用したデータの可視化を実現しました。PLCとはProgrammable Logic Controllerの略です。設備や機械の動作に対する条件を定義することで、ユーザーが機器を自由に制御できます。

Azure上のSQLデータベースに加工機の実測データを蓄積して可視化することにより、加工機の状態管理を数値化でき、誰でも熟練の作業員と同様の製品が量産できる体制が整いました。

詳細は、下記ページをご覧ください。
事例「株式会社大矢製作所 様」|Azure導入事例|東京エレクトロンデバイス

小売店の業務効率化に向けIoT対応の電子マネーチャージ機を開発し導入

世の中はキャッシュレスの流れが加速し、店舗にもキャッシュレスに対応した機器が次々と導入されています。電子マネーチャージ機もその一つで、現金を投入することでICカードに現金をチャージできます。

しかしながら、人手不足に悩む小売店では、電子マネーチャージ機の導入による店舗スタッフの管理業務増加が無視できない状況でした。例えば機内の現金量の把握は実際に機器の中を見る必要があり、定期的な確認作業が負担になっていました。またエラー対応の際にも機器を見なければ状態がわからず、迅速な対処が困難でした。ソフトウェアなどのバージョンアップ作業も、各機器に対して現地で実施する必要がありました。

そこで通貨処理機の大手であるグローリー株式会社は、IoT対応の新型電子マネーチャージ機を開発。機器状態の可視化を可能としました。各機器の現金量が事務所で把握できるようになった他、エラー内容もリモートで確認して事務所で適切な対処法を準備してから現場へ向かえるようになり、素早い対応が可能となりました。ソフトウェアのバージョンアップも、リモート配信で迅速に対応できます。これらのことから、店舗の業務効率化に貢献しました。

詳細は、下記ページをご覧ください。
事例「グローリー株式会社 様」|Azure導入事例|東京エレクトロンデバイス

製造業でのIoT活用で現場改革を!

これまで、製造現場の生産効率改善には大きな労力が必要でしたが、IoTで製造装置やラインの稼働状況を可視化することによって、できるところから少しずつ改善を進められる可能性が広がっています。実際にIoTを利用した業務改善の成功例や、新たなサービスの創出をしている事例は増えています。自社の課題を把握し、効果的にIoTを導入していきましょう。

なお、今日のIoT導入では、IoTデバイス(エッジデバイス)、クラウド、エッジコンピューティングの理解はかかせません。現代のIoTの基礎知識として構成するものについてもぜひ確認しておきましょう。
それぞれに、「IoTデバイスとは?種類や活用事例を分かりやすく解説」「クラウドはまだ早い?オンプレミスとの違い、メリットとデメリット、エッジコンピューティングとの関係を徹底解説」「エッジコンピューティングとは?なぜIoT・AI時代に不可欠とされるのか、そのメリットを解説」にてご紹介していますのでこちらもご参照ください。

ネクストステップにおすすめ

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