




装置の故障予知
IoTの大きな目的の1つが、装置の故障予知です。常に高生産性を求められる製造現場では、ラインの停止など稼働率低下の要因を最小限に抑えることは非常に重要です。IoT/AIを導入することにより、装置から温度、湿度、振動等のデータを常時取得して正常な稼働状態を定義し、正常時と異なる兆候が現れた際に故障の兆候と判断して通知が可能となります。これにより未然の修理対応が可能になり、コスト削減や人員不足解消に貢献します。また、故障予知を販売製品の付加価値として提供することで、新たなビジネスとして収益拡大にもつながります。
IoT/AIによる故障予知のメリット
ダウンタイムを最小限に抑えて生産性を向上
不具合の原因特定に時間がかかる
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AIにより故障個所を早期に特定
データを解析することで故障の可能性が高い個所の特定が可能となり、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。また、原因特定の調査に熟練作業員のリソースを取られることなく、製造作業に専念することが可能です。原因分析により製造品質を向上
機械学習により故障が発生しやすい状況が解析できることにより、稼働条件の最適化が図れるようになり、製造品質の向上につながります。
故障予知を新たな付加価値に
価格競争から脱却し、利益率を上げたい
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故障予知をサービス化
工場内で稼働する装置の故障を未然に防ぐことができれば、稼働率の最大化を目指す企業の満足度も向上します。故障予知を付加価値サービスとして提供することで、新しいビジネスの展開が可能となります。
ユースケース
製造装置の保守コスト削減
製造装置の稼働時間が増えると振動や部品の劣化によって故障の可能性が高まるため、基準値に到達すると使える状態でも部品交換をするケースがあります。また、使用環境によっては基準値に達する前に故障が発生してしまうこともあります。IoT/AIにより「故障が起こりそう」なときに対応ができるようになり、予期せぬ事態に備えた定期点検や在庫の確保などのコストを削減できます。

業務停止の未然防止
産業用の冷蔵庫や薬品保管庫など、故障で稼働が停止すると業務に影響を及ぼすだけでなく、衛生管理上の問題から在庫破棄などの大幅なコストが発生します。故障予知により停止のリスクを大幅に削減することができ、経済的損失を防げます。また装置の付加価値として故障予知サービスを提供すれば、利用する側も安心でき、顧客満足度の向上につながります。

実現までの流れ
故障予知の実現までは、概ね下記のような流れですすみます。


STEP1
目的の確認
対象機器と取得できるデータを整理します。
STEP2
条件定義
取得するデータの種類
(温度、湿度、振動、傾きなど)
データ取得方法
(センサー、カメラなど)
データ取得頻度
(定期取得、常時取得など)
故障の判断基準の定義
STEP3
サービス選定
Azureのどの機能をどう使うか、システム構成の検討
STEP4
システム構築
パッケージソリューション
故障予知のパッケージソリューションには実現までのさまざまな課題に対する支援が含まれ、時間と手間の削減に貢献します。
ここでは東京エレクトロンデバイスのAzureパートナーが提供するパッケージソリューションをご紹介します。

手早く始める、使いながら育てる、故障予知サービス
AIを用い正常状態をモデル化することで故障予兆を検知し、異常に起因する箇所を推定し通知するサービスです。異常データの収集が不要で、手間をかけずに短いリードタイムで導入が可能です。検知した予兆に関する各センサーの寄与度情報を表示し、お客様による故障箇所推定を支援します。また、特許出願中の知見追加機能により、使いながら検知精度を高めることが可能です。

AI・統計的手法ソリューションを利用し、お客様の業務課題を解決
データは蓄積されているが分析方法が分からない、予知保全の実現方法が分からない、データを活用して付加価値をつけたい。そんなお客様に対してデータの収集から、加工、分析モデルの生成・評価、周辺システムへの組み込みまで、データ活用実現をワンストップでサポートするサービスです。製造、建設、流通・物流、医療・介護、農業など業界、業態を問わず、数多くの導入実績があります。
カスタマイズソリューション
お客様の要件に応じたIoTシステム構築を個別にご提案します。